海水の作用を受けるコンクリートについて(平成29年問16)

問題文

  海水の作用を受けるコンクリートに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

 

  1. 物理的な侵食は、飛沫帯や干満帯よりも海中部の方が生じやすい。
  2. 化学的抵抗性は、高炉セメントB種よりも普通ポルトランドセメントの方が高い。
  3. 海水中の硫酸マグネシウム(MgSO4)は、水和生成物との反応により体積膨張してコンクリートを劣化させる。
  4. 海水中の塩化マグネシウム(MgCl2)は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して組織を緻密にする。 

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解答と解説

解答

3.海水中の硫酸マグネシウム(MgSO4)は、水和生成物との反応により体積膨張してコンクリートを劣化させる。が適当である。

 

解説

1.物理的な侵食は、飛沫帯や干満帯よりも海中部の方が生じやすい。

 物理的な浸食とは、波による衝突による損傷を指している。そのため最も波の影響が大きいのは干満帯である。

 

2.化学的抵抗性は、高炉セメントB種よりも普通ポルトランドセメントの方が高い。

 海水による科学的作用によりコンクリートは劣化する。具体的には硫酸マグネシウム(MgSO4)や塩化マグネシウム(MgCl2)があり、それらに対する抵抗性は高炉セメントB種の方が高い。

 

3.海水中の硫酸マグネシウム(MgSO4)は、水和生成物との反応により体積膨張してコンクリートを劣化させる。

 硫酸マグネシウム(MgSO4)はセメントの水和生成物である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応し、石こうの結晶と水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を生成し、いずれも体積膨張を起こす。

 さらに、石こうの一部はセメント中のアルミン酸三カルシウム(C3A)と反応し、エトリンガイトを生成し、著しい体積膨張を引き起こす。体積膨張によりコンクリートにひび割れを発生させる。

 

4.海水中の塩化マグネシウム(MgCl2)は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して組織を緻密にする。 

 塩化マグネシウム(MgCl2)は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応し、塩化カルシウム(CaCl2)を生成する。塩化カルシウムは水溶性であり、コンクリート組織を多孔質化させ、コンクリートを劣化させる。

 

 

頻出ポイント

  •  硫酸マグネシウム(MgSO4)はセメントの水和生成物である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応し、石こうの結晶と水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を生成し、いずれも体積膨張を起こす。
  • 塩化マグネシウム(MgCl2)は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応し、塩化カルシウム(CaCl2)を生成する。塩化カルシウムは水溶性であり、コンクリート組織を多孔質化させ、コンクリートを劣化させる。

 

分野ごとの過去問まとめへのリンク

concrete-gishi.hatenablog.jp