問題文
コンクリートの力学特性に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
- 引張強度と圧縮強度の比(引張強度/圧縮強度)は、圧縮強度が高いほど大きくなる。
- 長期材齢における圧縮強度の伸びは、初期の養生温度が高いほど小さくなる。
- 割線弾性係数は、供試体に縦振動を与えて得られる動弾性係数よりも小さい。
- 高強度コンクリートでは、圧縮強度に及ぼす粗骨材の影響は一般のコンクリートよりも大きい。
解答と解説
解答
1.引張強度と圧縮強度の比(引張強度/圧縮強度)は、圧縮強度が高いほど大きくなる。 が不適当である。
解説
1.引張強度と圧縮強度の比(引張強度/圧縮強度)は、圧縮強度が高いほど大きくなる。
引張強度/圧縮強度は一般に1/10~1/12(曲げは1/5~1/7)であるが、高強度ほどその比は小さくなる。
2.長期材齢における圧縮強度の伸びは、初期の養生温度が高いほど小さくなる。
適当。初期強度は養生温度が高いほど大きいが、長期強度は養生温度が低いほど小さい。
3.割線弾性係数は、供試体に縦振動を与えて得られる動弾性係数よりも小さい。
割線弾性係数(=静弾性係数)はコンクリートの破壊強度の1/3と原点(正しくは50×10-6)を結んで算出される弾性係数は、供試体に縦振動を与えて得られる動弾性係数よりも小さい。
4.高強度コンクリートでは、圧縮強度に及ぼす粗骨材の影響は一般のコンクリートよりも大きい。
コンクリートの圧縮強度はセメント水比(水セメント比の逆数)で決まり、骨材の強度の影響は少ない。コンクリートの強度が高強度領域となると骨材自体の強度の影響も大きくなる。
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