問題文
コンクリートのワーカビリティーに関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
- エントラップエアは、コンクリートのワーカビリティーを改善する。
- セメントの粉末度は大きくなると、セメントペーストの粘性は高くなり、流動性は低下する。
- スランプ試験の測定後に平板の端部を軽くたたいて振動を与えるときのコンクリートの変形状況は、材料分離抵抗性を評価する目安になる。
- 加圧ブリーディング試験は、コンクリートの圧送性を評価する目安になる。
解答と解説
解答
1.エントラップエアは、コンクリートのワーカビリティーを改善する。が不適当である。
解説
1.エントラップエアは、コンクリートのワーカビリティーを改善する。
エントラップエアとは、コンクリートの練混ぜ時に巻き込まれた気泡のことである。比較的気泡径が大きく(100μm)、ワーカビリティーの改善には役に立たない。
ワーカビリティーの改善に役立つのはAE剤などによって連行された気泡径の小さいエントレインドエアである。
2.セメントの粉末度は大きくなると、セメントペーストの粘性は高くなり、流動性は低下する。
粉末度が大きければ、セメントが細かいということを表しており、粉末度が大きいほど、粘性は高くなる。
3.スランプ試験の測定後に平板の端部を軽くたたいて振動を与えるときのコンクリートの変形状況は、材料分離抵抗性を評価する目安になる。
スランプ試験後に平板をたたいて振動を与えることをタッピングといい、タッピング時のコンクリートの変形などを観察することでコンクリートのワーカビリティーの判断に役立つ。
4.加圧ブリーディング試験は、コンクリートの圧送性を評価する目安になる。
加圧ブリーディング試験とは、閉塞容器に圧力を加えたときのブリーディング状況を確認するものである。材料分離抵抗性の低いコンクリートほど排出量が多くなるため、ポンプ圧送性を評価する目安となる。
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